MONOS
まず、今作は「to blue」をリリースしたいという気持ちから、緊急リリースが決定しました。
「シロクロノイズ」のセルフライナーノーツでも触れているのですが、作家さんとのいい出会いがあったため「シロクロノイズ」の制作もしていて。「to blue」1曲だけリリースするという案もあったのですが、「シロクロノイズ」で白と黒、「to blue」で青と、偶然色が関係するタイトルの楽曲が揃ったので、コンセプトというほどでもないけど、色縛りのシングルにしていいんじゃない?と考えて、この2曲で1つとしてリリースすることにしたんです。
タイトルは、誰しもピンときてるんじゃないでしょうか。白黒青、この配色ってMONOじゃないですか。消しゴムで有名なあのMONO。それで、MONOの名前の由来を調べたら、『唯一の、比類なき』を表すギリシャ語のmonosが語源とわかって。どちらの曲にも当てはまる言葉だと思って「MONOS」にしました。
あと、1つのタイトルにしたのはもう一つ理由があって。自分の中で2曲は片方がA面(表題)という扱いではなく、両A面シングルと考えているんですよ。それぞれの曲名を並べて表記してもいいんでしょうけど、それじゃなんだかつまらなくて。今回はうまいことハマってるし、ちょうどよかったです。この表現であっているか分かりませんけどね。笑
事前に発表していたコンセプトEP「ナツメロ」に収録された曲はすべてフィクションなので本作は1stアルバムのように、パーナルな内容に近い内容になりました。たまたまそうなっただけですけど、EPとは作風が異なって、これまたちょうどいい。うん。そんなちょうどいい作品。よかったらたくさん聴いてください。
シロクロノイズ
「緊急リリース」と告知したように、この曲は元々この時期にリリースする予定ではありませんでした。歌詞は2022年の秋頃には書き下ろしていたんですけどね。別の曲と対にして、別のコンセプトでリリースを考えていました。
楽曲制作を依頼させて頂く際、必ずその方がどのような楽曲を制作されているのか、クオリティーも含めて確認しているんだけど、ロックが得意な方、バラードが得意な方様々いらっしゃって。僕が懇意にしている方々は「なんでもできるよ!」というすごい人たちばかりなんだけど、それは「シロクロノイズ」の制作を依頼したURAKENさんも例外ではありませんでした。
でもね、今まで制作された楽曲を聴かせていただいて「これは、今制作を進めているものではなく、シロクロノイズをお願いするべきでは…?」と思ったの。先々でリリースするにしてもURAKENさんにお願いすべきだという僕の直感に従った結果、今までのオトウラアオイっぽさとは異なるかっこいい曲に仕上がりました。
こういった楽曲にしたいとイメージしていたので、歌詞も自ずと恋愛絡みではないものになっています。ずばり、嘘をつく人間や、知ったようなふりをしてSNSでああだこうだ言っている人たちを批判する歌詞。批判というか、僕はこう思うってだけなんだけど。例えば、誰と誰が不倫したっていうニュースが流れたとして、真実なんて当事者にしか分からないよね?でも、誰々が悪いとか、何を根拠にしているのかわからないけど、自信満々で言ったりするじゃない?今の時代、巧妙なフェイク動画も作れちゃうし、証拠も捏造できるっていうのに…。好き勝手に憶測で物事を語る人達が多いから、惑わされないようにしたいし、ちゃんと見極める力がないとダメだよなぁ。んー。見極めるっていうのも少し違うか?あ、何を信じるか、自分で考えて決めるってことが大事。これだ!笑
それを踏まえてもらえば、難しいことは言っていないし、とてもわかりやすい歌詞だよね。一つだけ補足しておくと、「イシ」をカタカナにしたのは、責任を伴わない軽はずみな発言は「意思」になりきれない、安全圏から「石」を投げるだけの行為だよってことを表したかった。
あと、初めての試みとして英語のコーラスが入っています。日本語にこだわって歌詞を書いてきたので、まさか英語のコーラスを入れる日が来るとは思っても見ませんでした。URAKENさんに「ここにコーラスが欲しいです」と言われて入れたコーラスだけど、日本語で良い感じに出来なかった僕の力不足って話。歌詞カードには記載していないけど、英語にもちゃんとこだわりました。発音には自信ないけど…。これもひとつの新境地。併せてお楽しみいただければ、これ幸い。
to blue
セルフライナーノーツに書くべきか悩みましたが、誤解を避ける意味合いも込めて記します。
熱狂的ではなくとも、僕にも所謂''推し''という存在がいまして。僕の名前でピンとくる方もいるかと思いますが、HKT48というアイドルグループの本村碧唯さんです。
余談になりますが、音楽活動をするにあたって名前を決めようという話になったとき、僕は「Sっ気が強いね」と言われることが多かったので、じゃあ推しの本村さんの名前から「M」を抜いて、「オトウラアオイにしよう!」と決めました。熱狂的ではないにせよ、芸名(的なもの)にする程には好きということですよ。笑
そんな彼女がグループからの卒業を発表したことがきっかけで、この歌は生まれました。ガチ恋してるんじゃないかばりに、切々とした想いを歌っていますが、全然、そこまでどっぷり沼にハマっているわけではなかったりします。
僕なんかより''推し''に一途で、グッズを持っていたり、握手会やイベントには必ず足を運ぶ人もたくさんいるんでしょうが、そういう方々と同じ気持ちで応援していたら、こんな感じなのかな…というイメージと、自分の気持ちをミックスした歌詞になっています。「寂しくなんかない。君が幸せならそれでいい」と言えるほどかっこつけられたらよかったんですけど、無理でした。グループから卒業したからって芸能界を引退するわけではないのかもしれないけど、活動を目にする機会って減るんじゃないかなって。どうなんだろう。卒業後の活動が気になります。なんらかの活動をされるのであれば、今後も応援したいし、会える機会があれば会いに行ってみたいな。
演奏面について。これ、いっつも言ってる気がするけど、切なく仕上げていただきました。僕が楽曲に求めるテイストに「切なさ」って絶対不可欠なんですよね。歌詞の内容だけにより切ない曲になっているかと。Aメロは出会った頃、好きになった頃のことに触れているので、少し明るい雰囲気があって、それが他のパートの切なさを引き立てているんじゃないかなぁと思います。
こういう音が欲しい、この構成ではこことここのメロディーが異なってて、でも全体的に疾走感は欲しくて…とか割と細かく要望を出しました。2000年代後半から2010年代前半のキラキラ系のV系バンドが1曲は持っていそうな曲を目指したんですけど、いかがですか?
「シロクロノイズ」も「to blue」もYouTubeで聴けるから、たくさん聴いてくださいね!